こんにちは。

行政書士の貞夫です。

行政書士に憧れている公務員の方、必見です。

実は、長年公務員として働いてきた経験があれば、試験を受けずに行政書士資格を取得できる制度があることをご存知でしょうか。

私も最初にこの話を聞いたとき、

「え、試験が免除されるの?」

と驚いたことを覚えています。

公務員として17年以上(中卒の方は20年以上)行政事務に従事していれば、行政書士試験という難関を突破することなく資格が得られる「特認制度」。

これは公務員ならではの大きなメリットだと考えられます。

この記事では、特認制度の詳細と手続きの流れ、注意点について詳しく解説していきます。

定年退職後のセカンドキャリアを考えている方や、公務員経験を活かして独立開業を目指している方にとって、役立つ情報になるはずです。

Contents

公務員が行政書士の試験免除を受けられる「特認制度」とは?

行政書士法第2条第6号に基づく有資格者の定義

特認制度について説明する前に、まず行政書士法の規定を見ていきましょう。

行政書士法第2条第6号には、行政書士となる資格を持つ者の条件が明記されています。

具体的には、

「国又は地方公共団体の公務員として行政事務を担当した期間が通算して20年以上(高校卒業以上は17年以上)になる者」

という規定があるのです。

この条文を見たとき、私は公務員経験がいかに重視されているかを実感しました。

つまり、行政書士試験に合格していなくても、

一定期間以上の公務員経験

があれば資格要件を満たすということです。

ただし、全ての公務員業務が認められるわけではなく、「行政事務」という限定がついている点に注意が必要だと考えられます。

学歴によって異なる「17年」または「20年」の従事期間

高卒・短大卒・大卒以上の場合は通算17年以上が必要

学歴によって必要な勤務年数が異なることは、意外と知られていないかもしれません。

高校卒業以上の学歴をお持ちの方であれば、通算17年以上の行政事務経験で資格要件を満たします。

これには短大卒業者や大学卒業者も含まれるという噂があります。

例えば、22歳で大学を卒業してすぐに公務員になった場合、39歳頃には特認制度を利用できる計算になります。

中卒の場合は通算20年以上の実務経験がボーダーライン

一方、最終学歴が中学校卒業の場合は、通算20年以上の行政事務経験が必要とされています。

この3年間の差は決して小さくないと感じる方もいらっしゃるでしょう。

15歳で就職した場合でも、35歳頃まで勤務を続ける必要がある計算です。

学歴による違いはありますが、長期間にわたる実務経験が評価される制度であることに変わりはありません。

免除の対象となる「行政事務」の範囲と判断基準

文書の起案や審査など責任ある業務内容の具体例

「行政事務」とは具体的にどのような業務を指すのでしょうか。

これは特認制度を利用する上で最も重要なポイントだと考えられます。

東京都行政書士会の資料によると、行政事務とは「文書の立案作成、審査等に関連する事務」を意味するとされています。

私が理解した範囲では、単に書類を作成するだけでなく、ある程度の責任を持って事務を処理していることが求められます。

例えば、許認可申請の審査、行政文書の起案・決裁、住民からの相談対応における法令解釈などが該当するようです。

役所の窓口業務でも、単なる受付ではなく書類の審査を伴うものであれば認められる可能性が高いと考えられます。

対象外となる可能性がある職種や作業の境界線

単純な労務や純粋な技術職、補助的業務は認められないことも

一方で、全ての公務員業務が行政事務として認められるわけではありません。

大阪府行政書士会の資料には、

「単なる労務、純粋な技術、単なる事務の補助は、行政事務に含まれません」

と明記されています。

例えば、データ入力だけを行う業務や、指示された通りに書類をコピーして配布するような補助的業務は対象外となる可能性があります。

これを知ったとき、私は改めて行政書士資格の専門性の高さを実感しました。

ただし、業務の一部に書類作成が含まれているだけでは不十分で、職務全体として文書の起案や審査に関わっていることが求められるようです。

警察官や自衛官、教職員などの職歴が認められるケース

興味深いことに、警察官や自衛官、教職員なども条件次第で認められるケースがあるという噂があります。

警察官の場合、交通違反の取り締まりや各種許可証の審査業務などは行政事務に該当すると考えられます。

自衛官についても、人事や会計などの管理部門で文書の起案・審査を担当していれば認められる可能性があるでしょう。

教職員の場合は少し複雑で、学校の事務職員として行政文書の作成に携わっていた期間が該当する場合があるようです。

ただし、これらは個別の職務内容によって判断が分かれるため、必ず所属の行政書士会に事前確認することをおすすめします。

特認制度を利用して登録する際の手続きと必要書類

各都道府県の単位会で行う「行政書士資格事前調査」の流れ

特認制度を利用するには、まず「行政書士資格事前調査」を受ける必要があります。

これは登録申請の前段階として、自分の職歴が要件を満たしているかを確認してもらう手続きです。

私が調べた限りでは、各都道府県の行政書士会によって手続きの詳細が若干異なる場合があるようです。

基本的な流れとしては、以下のようになります。

まず、登録を希望する都道府県の行政書士会に「行政書士資格事前調査願」を提出します。

その際、後述する「公務員職歴証明書」も一緒に提出することになります。

提出後は審査期間があり、通常1ヶ月から1ヶ月半程度かかると考えられます。

審査結果は郵送で通知されるのが一般的です。

任命権者の証明が必須となる「公務員職歴証明書」の準備

過去の所属部署ごとに証明印(職印)を取り寄せる際の注意点

「公務員職歴証明書」は、特認制度利用において最も重要な書類だと言えるでしょう。

この証明書には、入庁から退庁までの各記入項目を漏れなく記載する必要があります。

特に重要なのは、身分(事務吏員、技術吏員等)、階級、役職、そして職務内容です。

私が注意が必要だと感じたのは、職務内容の記載方法です。

行政事務に該当する業務内容が判断できるよう、できるだけ具体的に記載することが求められます。

例えば、

「○○に関する事務・文書作成・起案」

「○○業務に関する企画・総括補佐」

といった形で、具体性を持たせることが大切です。

また、任命権者の押印が必要であり、複数枚にわたる場合は契印も必要となります。

勤務していた官公庁の人事関係部署から取り寄せることになるため、時間に余裕を持って手続きを進めることをおすすめします。

審査期間の目安と結果通知が届くまでのスケジュール

審査期間については先ほども触れましたが、具体的なスケジュール感を持っておくことは重要です。

一般的に、書類提出から結果通知までには1ヶ月から1ヶ月半程度かかると考えられます。

繁忙期にはさらに時間がかかる可能性もあるという噂があります。

退職時期が決まっている場合は、少なくとも退職の2〜3ヶ月前には事前調査を申請しておくと安心でしょう。

審査の結果、要件を満たしていると認められれば、正式な登録申請へと進むことができます。

元官公署職員が実務へ活かせるメリットと独立開業の魅力

書類を受理・審査する側の視点を持った精度の高い作成スキル

公務員経験者が行政書士として活躍できる最大の強みは何でしょうか。

それは、書類を受理・審査する側の視点を持っていることだと私は考えます。

長年にわたり、様々な書類を審査してきた経験は計り知れない価値があります。

どのような書類であれば受理されやすいか、どのような記載ミスが多いかを熟知しているのです。

この知識とスキルは、行政書士として書類を作成する際に大いに役立つでしょう。

依頼者にとっても、「元公務員」という経歴は大きな安心材料になると考えられます。

定年退職後のセカンドキャリアやキャリアアップとしての活用

特定の許認可業務に特化することで年収アップを目指せる可能性

定年退職後のセカンドキャリアとして行政書士を選ぶケースは年々増加しているようです。

公務員時代の専門分野を活かして、特定の許認可業務に特化する戦略が有効だと考えられます。

例えば、建設部署に長く在籍していた方であれば、建設業許可申請を専門にすることで差別化できます。

福祉部門の経験者なら、介護事業所の許認可申請に強みを発揮できるでしょう。

このように専門性を打ち出すことで、年収アップも夢ではありません。

行政書士の平均年収は約600万円とされていますが、独立開業して専門分野を確立すれば、1000万円以上の年収も十分目指せる可能性があります。

公務員時代には収入の上限が定められていますが、独立すればその制限はなくなります。

無試験ルートを選択する際の注意点と諸費用

在職中の兼業禁止規定と退職・登録申請のタイミング

特認制度を利用する際に絶対に注意しなければならないことがあります。

それは、公務員と行政書士の兼業ができないという点です。

公務員には法律により兼業禁止規定があり、行政書士業務もその対象に含まれます。

つまり、行政書士として登録・開業するためには、必ず公務員を退職する必要があるのです。

私も最初にこの事実を知ったとき、「資格を持っていても使えないのか」と驚きました。

在職中に資格要件を満たしていても、退職しない限り行政書士会への登録はできません。

そのため、退職のタイミングと登録申請のスケジュールを綿密に計画することが重要です。

退職後の生活設計やライフプランを十分に検討した上で、特認制度の利用を決断することをおすすめします。

行政書士会の入会金や登録手数料

東京都や大阪府など地域によって異なる登録費用の内訳

行政書士として登録するには、かなりの初期費用がかかることを知っておく必要があります。

例えば、東京都行政書士会の場合、登録手数料が25,000円、入会金が200,000円程度となっています。

これに加えて、登録免許税などの法定費用も発生します。

合計すると、初期費用として約30万円程度が必要になると考えられます。

地域によって金額は異なりますが、どの都道府県でも20〜30万円程度は見込んでおくべきでしょう。

さらに、登録後も年会費などのランニングコストが継続的に発生します。

事務所の開設費用や備品購入費用なども考慮すると、独立開業には相応の資金準備が必要です。

退職金や貯蓄を活用するなど、しっかりとした資金計画を立てることが成功への第一歩だと考えられます。

試験合格を目指す通常ルートと特認制度どちらが良い?

20代・30代の若手が「最短」で行政書士資格を得るには

若い公務員の方にとって、特認制度と試験合格のどちらが良いのでしょうか。

20代・30代で行政書士を目指すなら、試験合格ルートの方が断然早いと私は考えます。

特認制度を利用するには最低でも17年の勤務が必要です。

22歳で公務員になったとしても、39歳まで待たなければなりません。

一方、行政書士試験に合格すれば、年齢に関係なく資格を取得できます。

試験の合格率は10〜15%程度と決して高くはありませんが、若いうちから資格を持っていることのメリットは計り知れません。

転職の選択肢が広がることはもちろん、公務員として働きながらも法律の専門家としてのスキルアップが図れます。

公務員試験の学習経験を活かした効率的な法律科目の対策法

公務員試験の経験がある方には、大きなアドバンテージがあります。

公務員試験と行政書士試験では、多くの科目が共通しているのです。

具体的には、憲法、民法、行政法といった法律科目が重複しています。

公務員試験で培った基礎知識があれば、行政書士試験の学習時間を大幅に短縮できる可能性があります。

一般的には800〜1000時間の勉強が必要とされていますが、公務員試験経験者なら600時間程度で合格を狙えるかもしれません。

ただし、問題形式や出題の深さには違いがあるため、専門的な対策は別途必要です。

特に、行政書士試験特有の記述式問題への対策は入念に行うことをおすすめします。

まとめ

ここまで、公務員が行政書士試験を免除されて資格を取得できる「特認制度」について詳しく見てきました。

特認制度を利用するには、

高卒以上で17年、中卒で20年以上の行政事務経験

が必要です。

対象となる「行政事務」は、文書の起案や審査など責任ある業務に限定されます。

手続きとしては、各都道府県の行政書士会で「行政書士資格事前調査」を受け、「公務員職歴証明書」を提出します。

審査には1〜1.5ヶ月程度かかると考えられます。

公務員経験者が行政書士として活躍するメリットは大きいですが、在職中の兼業禁止規定や、30万円程度の初期費用がかかることには注意が必要です。

20代・30代の若手であれば、特認制度を待つよりも試験合格を目指す方が早く資格を得られる可能性が高いでしょう。

公務員試験の学習経験があれば、効率的に対策を進められるはずです。

特認制度は、長年公務員として勤務してきた方にとって、その経験を正当に評価してもらえる素晴らしい制度だと私は考えます。

定年退職後のセカンドキャリアとして、また人生の新たなチャレンジとして、行政書士を検討してみてはいかがでしょうか。